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<下流化>「水商売で働きたい」貧困予備軍、若者の窮状

日本の相対的貧困率上昇が止まりません。今や6人に1人は貧困ライン未満の収入です。もはや他人事ではない日本社会の下流化。その現状を報告します。【NPO法人ほっとプラス代表理事・藤田孝典】

 埼玉県内の定時制高校2年の優香(17)は今、アパートで1人で暮らしています。私が代表理事を務める貧困支援のNPOにある日、優香の女性担任から電話がありました。

 「施設を出て1人暮らしの女子生徒が、給食費を払えない状態になっている。このままでは学校をやめてしまいそう。相談に乗ってほしい」

 担任と一緒に事務所に現れた優香は、すさんだ雰囲気を発していました。明るめの茶髪、投げやりで乱暴な話し方--典型的な「インボランタリー・クライアント」、つまり、援助や支援が必要なのにそれを望まない、あるいは拒否する人の態度です。

 話を聞くと不遇な子供時代だったようです。生まれてすぐに父親が失踪。1990年代末に10代で妊娠・出産した母親(現在は30代後半)は、スナックの従業員やスーパーの販売の仕事をしながら優香を育てました。同時に、暴力や暴言、ネグレクト(育児放棄)のような虐待を続けていました。

 見かねた周囲が小学2年の時、母親から引き離し、優香を児童養護施設に入所させ、そこから小中高校に通ったのですが、定時制高校に入学したころから生活が荒れ始め、非行や売春で何度も補導されました。その結果施設を出され、今は家賃4万5000円のワンルームアパートで1人暮らしです。

 ◇「美容専門学校に行きたい」学費は100万円

 優香は昼間、近くのクリーニング店で働いています。時給は埼玉県の最低賃金820円に近く、収入は月約13万円ほど。所得税や社会保険料、アパートの家賃を払うと、残りは月数万円。手取り年収は100万円に届かない貧困レベルです。最近は学校も仕事も休みがちです。

 ぽつりと漏らした「美容の専門学校に行きたい……」という言葉は本音でしょう。しかし、その学費は年間100万円を上回ります。母親に頼れない優香には進学は夢でしかありません。

 このまま高校に通って、いいことがあるのかどうか分からないと彼女は言います。今の口癖は「早く18歳になって、水商売でもっと稼ぎたい」。彼女は、自分が売れるのは容姿と若さだけであることを知っています。

 17歳の少女が、厳しい生活と限りなく見通しの暗い将来から逃れるために抱ける唯一の希望が、水商売。相談してきた担任はこう言います。

 「このままでは卒業も難しい。卒業できなければ彼女は今後チャンスを手にすることなく、坂道を転げ落ちていく。なんとか卒業させたいんです……」

 ◇日本の6人に1人が貧困ライン未満の収入

 日本の相対的貧困率は年々上昇しています。

 世帯収入から税金や社会保険料などの「非消費支出」を差し引いた手取り収入が「可処分所得」。この可処分所得を世帯人数の平方根で割ったものが、「等価可処分所得」です。世帯員の生活水準をより実態に近い状態で表す数字です。

 この等価可処分所得の中央値は、2012年時点で244万円(名目)。この名目値の半分(122万円)に届かない人の割合を示すのが、いわゆる「相対的貧困率」です。世帯員の人数ごとでいえば、単身世帯は122万円、2人世帯170万円、3人世帯210万円、4人世帯245万円--未満の収入しかない人が、貧困と見なされます。

 いま、日本の相対的貧困率は16.1%(12年・厚生労働省国民生活基礎調査)。85年の調査開始以来最も高く、また、経済協力開発機構(OECD)加盟34カ国の中でも6番目に高い数字(10年)です。高度経済成長を果たし、経済大国になったはずの日本で、6人に1人が貧困状態にあります。大きな原因の一つが、雇用の崩壊です。

 ◇非正規雇用が4割超に

 バブル経済が崩壊した90年代後半から、雇用形態は大きく変化しました。正社員採用は減り、非正規雇用が増えました。15年には非正規雇用率は4割に。女性に限れば非正規率は50%を超えています。正社員より不安定で、給与も安いまま昇給もありません。

 若者だけでなく、ただでさえ弱い立場にあるシングルマザー、障害を持つ人、健康に問題がある人、不登校だったり、高校を中退したりした人、職歴の少ない人といった、社会的に弱い立場の人たちは、さらに稼げなくなっています。また、過酷な労働による若者の精神疾患も急増しています。

 かつて「中流」と呼ばれた社会の中間層が、下流に落ちようとしている。目をこらせば、社会のあちこちに貧困の影が見えます。そこでは「若いから働けば何とかなる」という励ましと責めは、役に立ちません。

 若者を「貧困予備軍」としてこのまま放置したらどうなるか。近い将来、大量の「貧困世代」が出現し、社会は大混乱に陥るでしょう。

日本はいつからこうなってしまったのだろう。。。
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